社団法人 日本建築家協会(JIA) 世田谷地域会

ここが知りたい、これが言いたい、これは知って欲しい

議員さんから子供たちまで

みんなで語ろう タウンミーティング

「半世紀を迎えた世田谷区民会館+区役所庁舎」Part4

世田谷区庁舎保存・再生案について


  

−タウンミーティング進行要旨−

過去3回のシンポジウムを終え、区民や議員、専門家が一緒になって議論をする場が必要という声があり、2009年7月4日に世田谷区民会館2F集会室にて行われた。


これまでの世田谷区庁舎問題についての背景と課題について、小林正美氏(JIA世田谷地域会代表)より説明があった。

それを踏まえ、現在の庁舎に増築することで庁舎を使い続けることができることを示した、JIA世田谷地域会が提案した、「世田谷区庁舎保存再生案」の説明を鰺坂徹氏(JIA世田谷地域会)が行い、日影規制や具体的な平面計画を解説した。それについてのディスカッションを行った。


■弘前市「前川國男の建物を大切にする会」FAXコメントの紹介

小林氏よりFAXコメントが読み上げられた。

  配布資料:前川國男の建物を大切にする会(青森県弘前市)参照


   「・・・(前略)・・・建物はそれが、どんなに著名な建築家の設計でも、使うのは、一般の市民です。・・・(中

  略)・・・3年前、初めて区庁舎を見学しました。が、正直ショックでした。建物の外見を見た時、弘前の市役所や

  市民会館にとても似ていて、姉妹・兄弟のようだと、親近感を持ちました。が、内部は期待に反しました。建物

  は、管理する人間でいかようにも変わると、経験しました。藤森市長(弘前市長)自ら依頼した市庁舎や市民会

  館等はその後、弘前市によって現在まで、大切に管理され市民に愛されています。・・・(中略)・・・世田谷区庁

  舎も長い歴史の中で、区民の皆さんのよりどころだったのではないでしょうか。兄弟・姉妹との別れは辛いです。

  前川建築が蘇り、新しい力をもらって未来に羽ばたく事を強く願っています。」                前川國

  男の建物を大切にする会代表コメント(抜粋)


小林:なぜ記憶を壊してしまうことをするのか、区民も疑問ですし、税金を試算すると非常にかかることもわかりまし

  た。今回は結論を出すつもりはありませんが、みなさんで問題を共有しましょう。


■審議会の状況について  −二人の審議会委員−


小林氏:7月7日に次回の審議会があり、8月4日には最終答申が出て建替えの結論が出てしまいます。審議会の

  状況についてのお話をお願いします。


在塚議員:

  今までに審議会の委員にこの区庁舎を残す価値を何度か説明しましたが、建物の良さを感じとる感覚をもつ方

  が少ない審議会ですから、考え方の前にご理解していただけない状況が続いています。


  審議会の中で、バリアフリー、防災、環境に加えて、区全体の中での行政機能の配置や建物の歴史的価値をし  っかり考えた方がいいという説明した内容が審議会議事録にはしっかり出ていますが、答申にはバリアフリー、  防災、環境の面から、庁舎を建替えるべきだという結論が出てきて、審議会議事録の内容がまったく反映されて  いません。


黒木氏(JIA世田谷地域会事務局)

  審議会は審議というより意見交換に近い状況です。

  ここ二回くらいは議事録に審議の内容が反映されていない、偏った意見で記されている傾向がでています。



小宮山洋子氏(民主党・衆議院議員)

  官僚はやりたいように会議をやりますから、地域の方や専門家を一応は入れますけれど、アリバイづくりのよう  に使われてしまうようです。どうやら、区議会はコストを気にしていて、環境の面から見ても、今改修しても10年く  らいで建替えないといけなくなるから、建替えた方がいいとインプットされているようです。

  何故急いで8月に結論を出さなければならないのか?、これも疑問です。


小林氏
  現在、署名を集めています。今までのところ、2200ほど集まっています。まだまだ、区民の方、ぜひ署名を書いていただきたいと  思います。


■世田谷区庁舎保存・再生案の説明 −鰺坂徹(JIA世田谷地域会)−


  配布資料・世田谷区庁舎再生案パンフレット参照

鰺坂氏:パンフレット「全体事業費の抑制」の部分ですが、配布資料にも載っています、「もったいない!無駄な税金  を使うのはやめましょう。現在、世田谷区は世田谷区民広場と区庁舎を解体し、新築建替えをしようとしていま   す。新築建替え工事にかかる費用は、約234億円です。増築案であれば、約70億円節約できます。これは、   保育園20棟分になります。」

  例として、国会議事堂は75歳ですが、きっと壊すつもりはないです。建物はずっと使い続けることができるという  ことをみなさんに理解してもらいたいです。

  壊すのではなくて、増築と改修することで使い続ける技術はあるということをみなさんに理解してもらいたくて、こ  の代案(保存再生案)を作りました。これが答えはひとつではなくて、同じ条件でも、建物を使い続けることはでき  るのです。


黒木氏:3層構造(区役所−支所−出張所を分散させる)の方が区民サービスしやすいと思います。これを議論しな  いと集約した区庁舎が45000uが必要なのか、職員が何人必要なのかがわかってこないと思います。

  防災拠点についても審議会に出席されている専門家の先生が防災拠点を集約するのは良くない、神戸で機能   しなかったのを経験している、と話しても、区は「東京都からここに防災拠点を置く」と言われているという。「拠点  としてのあり方もおかしいよ」ということを訴えているが、なかなか聞き入れてもらえない状況です。



小林氏:3層構造という行政機能のあり方や区庁舎の建物の価値、役所の真ん中に区民が親しめる広場を大事に  していく。CO排出量などもありますが、多くの課題をみなさんと共有したいと思います。

 

  


ファシリテーション(まとめ):永井ふみ(株式会社石塚計画デザイン事務所)

   文責:泉山塁威(JIA世田谷地域会)